放射能への取組

常総生協の放射能への取組

Ⅵ期 本格自主精密検査体制へ 2012年3月以降

ゲルマニウム半導体検出器導入(2/21〜試験運用、3/26〜本運用開始)自主精密検査態勢へ 1500万円 (検出限界:Cs134・137各5 Bq/kg、計10 Bq/kgを標準、茶・水・尿は1Bq/kg以下まで) (2012.3月〜5月中旬までに776検体を検査(食品495、水および尿11、ハウスダスト266、ほか) (Ge半導体検出器導入の目的)

  • ①内部被ばく回避のための精密検査(低線量長期被ばくへの対処)
  • ②「地産地消をあきらめない」協同組合として生産と消費をつなぐための検査
  • ③国の「新基準」(4月)は出荷制限基準であり一律基準。汚染・被ばく責任所在不明確なままの基準。個々の汚染の事実を明らかにした上で、生産者の生活と生産継続を補償しつつ、消費者の健康も守る考えが欠如。生産と消費を分断し、農地や海の汚染と経口摂取内部被ばくを既成事実化させ「受忍」を前提とする基準
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時期 重点 検査対象 目的 検査結果 生協からの 呼びかけ・お願い・対策
2012年3月末から食品の自主精密検査 地場産直有機野菜の徹底調査 野菜セット 茨城産有機野菜セットの徹底検査による契約の再生 有機セット野菜、茨城産野菜の安全性徹底検証。 Geによる第一次網羅的な検査の結果、すべて各検出限界5Bq/kg以下。今後順次時間をかけて検出限界1Bq/kg検査へ。組合員へ再結集呼びかけ。
加工食品への範囲拡大 加工食品 加工食品の2011年産原料使用が始まるのに対応 主原料が調査対象区域産のものから順次Ge精密検査。この過程で、地場産小麦を使用したパンからセシウム4.0ベクレル/kgの検出あり。子どものお菓子の順次全品検査へ。
定期検査品 牛乳、卵、肉(豚鶏牛) 年2回の定期検査 飼料汚染の可能性のあるものについて産地に拘わらず北海道から九州までのものを定期検査。すべて検出限界値各5ベクレル以下。牛乳は1ベクレル以下。
2012年産 新茶 大石茶2年目の新葉の検証 1年目は葉面付着・葉面吸収。2年目は経根・経茎吸収。 土壌は最大66Bq/kg。生葉不検出。荒茶45Bq/kg。抽出茶1Bq/kg以下。
竹の子ほか 旬の山菜等の検査 つくば木村農園竹の子62〜143Bq/kgで供給断念。
内外被ばく量 屋内線量 掃除機ダスト 家庭内での空間線量の要因となるハウスダスト調査と低減化対策模索 組合員265名の参加で掃除機ダスト調査1回目。平均1,865ベクレル/kg。8,000ベクレル/kg以上が検出された5件はすぐに状況確認調査へ。他は2ヶ月後の7月に2回目検査予定。
子ども内部被ばく 「尿」検査の予備的調査 本調査実施前の検査の標準指標・標準マニュアルの策定 福島の保養児童の尿検査実施。続いて石岡の組合員児童による先行予備調査実験(測定時間、検出限界値、分析方法等の検証)。検出限界0.05ベクレル/kgをめざす方針で。

Ⅴ期 組合員公開・地域土壌沈着量 2011年10月〜2012年3月

NaI検査器の①地域生産者への公開、組合員家庭菜園・庭などの土壌、作物の持ち込み自主検査②1kmメッシュでの事故後1年目の土壌沈着濃度一斉調査、③生産ほ場年次定期検査

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時期 重点 検査対象 目的 検査結果 生協からの 呼びかけ・お願い・対策
2011年10月〜 検査器の地域公開 組合員活用 自由 検査器を地域の生産者、および組合員による自主検査に自由利用公開 NaI検査器、10月より毎週日曜日を地域生産者に利用提供、11月5日生協まつりでの自家土壌検査以後、毎週土曜日を組合員持ち込みによる家庭菜園や庭の土壌、作物の自主検査に利用を公開。
2012年 2月〜6月 一般空地 セシウム土壌沈着量 組合員エリア市町村1kmメッシュ 事故1年後のホットスポット地域のセシウム土壌沈着量を確定し、グラウンドシャインによる外部被ばく線量を推定する 先行して11月、高濃度汚染とされた流山おおたかの森駅前住宅地の250mメッシュ土壌調査を組合員が実施し、直ちに行政への除染申し入れを行った。 組合員居住エリア10市町村にて、組合員の協力で1kmメッシュでの無作為地点の土壌採取活動。 土壌沈着量からモンテカルロ法にて外部被ばく線量(屋外のみと屋外8時間・室内16時間を含む生活被ばく)を計算。1/3の地点で生活被ばく年間1ミリシーベルトを超える計算。
3月 生産地定期検査 ほ場土壌 事故後1年目の生産ほ場土壌定期検査 半減期に沿って低減しているところ、それ以上に低減しているところ、逆に高まっているところもあり不規則。

Ⅳ期 外部被ばく線量調査 2011年12月〜2012年4月

  • ガラスバッジによる子ども及び生産者の被ばく線量調査
  • 千代田テクノル社によるガラスバッジ(予備調査ポケット線量計は日立アロカメディカルPDM-122)
  • ホットスポット地域の児童の実際の生活において、法定の年間公衆追加被ばく線量限度1ミリシーベルトに対してどの程度の「外部被ばくレベル」かを実測確認する目的で実施
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時期 重点 検査対象 目的 検査結果 生協からの 呼びかけ・お願い・対策
2011年12月 予備調査 児童8 生産者3 電子ポケット積算線量計による計測期間推定 3日間の測定で7〜10マイクロシーベルト(バックグラウンド込み)。30日測定で0.07〜0.1ミリシーベルト予測。
2012年1月 第1次 児童95 生産者5 ガラスバッジ100名、1ヶ月の積算被ばく線量実測 標準バックグランドを差し引いて追加被ばく線量を計算。97件が検出限界0.05ミリシーベルト/月(年換算0.6)未満。 3件は同0.05(我孫子市/年間0.6)、0.12(牛久市/途中CT検査)、0.13(福島二本松生産者/年間1.56)
2月 第2次 児童10 10名、追加継続1ヶ月 取手・守谷・龍ヶ崎・牛久・土浦・阿見・柏・我孫子・松戸・流山から各1名抽出。10件中3件で、0.05ミリシーベルト/月(取手市・土浦市/年0.6)と、0.06(守谷市/年0.72)
4月 第3次 児童95 95名、3ヶ月検査で有意な数値を得て年間被ばく線量を確定する 4/16〜7/13測定中 測定者はハウスダスト調査にも参加してもらった

Ⅲ期 放射能濃度自主検査体制 2011年7月〜2012年1月

7月NaI型食品放射能測定システム(CAN-OSP-NAI日立アロカメディカル社製)導入 500万円 (検出限界 Cs134・137各15ベクレル/合計30Bq/kg基準。精密検査は引き続き外部検査へ) (2011.7月〜2012.4月に2,910検体を検査(食品926、土壌1,984、ダスト4))

「食品放射能汚染検査の実務目標」(7/4)

  • ①自主検査の実務目標は30Bq/kg以下(但し、主食のコメ・大豆は1Bq/kg以下の精密検査を実施する)
  • ②土壌汚染の暫定目標100Bq/kg、作物への移行はその1/10と推定し生産者とともに努力する
  • ③一般食品の検査対象エリアは東北6県、関東1都6県とし、震災後原料を調査対象とする
  • ④組合員への免疫力向上のための提案交流をすすめる(発酵食品と繊維)

「食品の放射能汚染に関する考え方と自主検査方針について」(7/25)

  • ①自分たちの手で「力づくで調べて」データを集め
  • ②検査結果はすべて公開し、冷静に評価し、食の選択判断材料とする
  • ③政府はIAEA・ICRPの緊急時被ばく受忍方針のため、任せておけない。情報操作と既成事実化
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時期 重点 検査対象 目的 検査結果 生協からの 呼びかけ・お願い・対策
2011年7月 生産ほ場土壌汚染 ほ場の土壌沈着量 茨城県内16生産者、127ほ場 茨城県内産直産地ほ場は今後10年間、セシウムの土壌沈着量の推移を年次定期検査を実施することとした。 全体で茨城県内耕作土壌濃度は100〜300Bq/kg水準。
新物作物 農産物 夏野菜新物事前調査 新物出荷2週間前の放射能検査を定式化。夏野菜新物対応。総じて30Bq/kg以下の不検出。群馬高原野菜も不検出。
流入汚染 貝類 湖沼・海岸への汚染流入による貝類の汚染調査 涸沼しじみ出荷再開前自主検査で不検出。外部精密検査で8.0Bq/kg。東京湾三番瀬ホンビノス貝不検出。
海洋汚染 水産品 水産品原料調達時期と海域の事前調査 鮮魚のサンプリング検査 水産品の多くはまだ3.11事故前原料使用。2011年産原料切替時期と調達先の確認。茨城沖・東北沖の鮮魚のサンプリング検査(東北沖は生活クラブ・グリーンコープ・常総生協の合同検査)開始。
8月ー9月 主食 集中調査 コメ 玄米 白米 4月土壌検査、7月茎・稲穂への移行調査 8月収穫前検査 宮城早場米から検査 収穫時点で玄米・白米をGe精密検査 【茨城・水海道めぐみちゃん】 12生産者12検体中、10検体不検出(検出限界0.1ベクレル/kg)、1検体0.3ベクレル/kg、1検体1.6ベクレル/kg。玄米では5検体中4検体検出で最高3.3ベクレル/kg。 【茨城JAやさと米】白米で最高3.0ベクレル/kg、玄米で最高5.9ベクレル/kg 【茨城・鯉渕学園】白米1.5ベクレル/kg、玄米7.2同 【千葉・荒井農園】白米1.0ベクレル/kg、玄米2.4同 【山形・おきたま興農舎、宮城・黒沢さん】 白米・玄米とも1ベクレル/kg以下 ※1Bq/kg米を年間食べ続けた場合の内部被曝預託実効線量は青年で最高0.00083ミリシーベルト/年を報告
菌茸汚染 なめこ 舞茸、原木しいたけ 菌茸類菌床資材汚染 おがくず原料汚染によりなめこ菌床270〜1,035ベクレル/kg、なめこ150〜863ベクレル/kgに跳ね上がり供給中止。資材管理不徹底。原木しいたけはまだ3.11前植菌分で不検出。
10月ー11月 有機農業 資材 落葉 もみがら 稲わら 有機農業堆肥資材の検査 3月フォールアウトを浴びた常緑広葉樹カシの5月落葉は3,000ベクレル/kg超のため土中に鋤込みまたは隔離保管。 3月時点でまだ新葉がついていなかった落葉広葉樹クヌギ・コナラの落葉(11月より落葉)は90〜250ベクレル/kgのため堆肥に利用。
12月 味噌用大豆 味噌作り用やさと契約栽培大豆。10月青大豆事前調査。12月本検査 2011年産味噌用大豆精密検査。乾燥大豆7ベクレル/kg、煮大豆1.8ベクレル/kg、煮汁1.2ベクレル/kg。仕込み味噌の放射能濃度は0.9ベクレル/kg推定。
2012年1月 地場産小麦 ユメシホウ小麦粉出荷前検査 原麦でNaI検出限界以下。乾燥・製粉後の小麦粉でGe精密検査で不検出。ふすまは38ベクレル/kgのため供給中止。

Ⅱ期 空間線量調査期 2011年6月〜12月

6月シンチレーションサーベイメータ(TCS-172B 日立アロカメディカル社製)導入 50万円 (2011.6〜12の半年で3,035地点の空間線量測定 (地上0〜1cm 3,035点 地上1m 2,889点)

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時期 重点 検査対象 目的 検査結果 生協からの 呼びかけ・お願い・対策
2011年 6月ー12月 生産ほ場空間線量調査 ほ場 茨城県内産地全ほ場 茨城県内の産直産地のほ場マップにもとづき、土壌表面の空間線量の緊急サーベイランス実施
生鮮品表面スクリーニング 生鮮品 サーベイメータ-による生鮮食品セット前の表面簡易スクリーニング開始 シンチレーションサーベイメーターでは、あくまで表面汚染スクリーニング目的。
福島調査 福島生産地汚染実態予備調査 福島産地(山木屋牧場、大木代吉本店ほか)、関係有機農家(二本松、三春)の空間線量調査と土壌事前採取
地域空間線量調査 組合員宅 組合員宅前空間線量調査 自宅前(0〜1cm、50cm、1m)の空間線量1,075カ所緊急調査
学校公園 組合員放射能調査隊 文科省「20mSv/h」への撤回運動 学校、公園、通学路など組合員による空間線量実地調査 各地で行政への除染要請

Ⅰ期 緊急時検査 最初の3ヶ月 すべて外部検査機関へ 2011年3月〜5月

初期緊急検査(母乳・牛乳・土壌・野菜・卵・肉など92検体を外部検査 1検体3万円)

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時期 重点 検査対象 目的 検査結果 生協からの 呼びかけ・お願い・対策
2011年3月 1週目水道水汚染→人体汚染 母乳 水道水、牛乳汚染直後の母体吸収から母乳への移行と濃縮の有無を検証。 (母乳調査・母子支援ネット結成呼びかけ) (3/15〜)風向きでの放射性雲の動きに注意。放射性ヨウ素に注意、外に出ない、マスク、水濡れタオル呼びかけ。 (3/19〜)妊産婦は特に水、食事、外出に注意。母乳提供のお願い→提供された3名の母乳(3/20〜24採取)のうち2名より放射性ヨウ素31.7、8.7Bq/kg。二次調査(3/26〜30採取)36.3、6.4Bq/kg。1回目31.7の方の母乳は8.5Bq/kgへ低減。三次追跡2回目36.3の方の母乳は14.8Bq/kgへ低減。 3/18前後で守谷上水道80.1Bq/kg、金町浄水場100Bq/kg。 母乳に濃縮はされてはいないが母子とも内部被曝現実。
フォールアウトによる放射性物質経口摂取を回避するのための緊急調査 初期葉菜 フォールアウト後の葉物野菜の葉面付着の確認(水洗いぜずにそのままの状態で検査) 1.3/20〜葉物供給一時中止 最高4,500Bq/kg(ヨウ素2,100、セシウム2,400) 2.放射線による健康影響にしきい値はないので可能な限りリスクを少なくする注意を呼びかけ。 3.作物表面に降り注いだ状態なので ①よく洗い落として ②外葉は剥いで食べない ③ハウス栽培のものは直接降下受けず ④根菜類はまだ汚染されていない 4.子供、妊産婦は感受性が高いので水、食べものからの経口摂取に特に注意してもらいたい。
牛乳原乳 水汚染→牛吸収→乳汚染 供給中止 沢水の牛の飲用禁止・放牧停止
4月 初期食品汚染データより 経口摂取による甲状腺被ばく線量、預託実効線量試算、年間内部被ばく量を暫定シミュレーション 幼児で0.77ミリシーベルト/年、ヨウ素等価線量13.3ミリシーベルト/年 成人で0.57ミリシーベルト/年、ヨウ素等価線量 5.7ミリシーベルト/年 と推定(4/4) ICRP方式でこれなので、深刻な食品汚染と認識。 初期吸入被ばくは不確定。
飼料汚染の確認と緊急隔離 牧草 牧草土壌 フォールアウトによる牧草汚染(隔離処理)、土壌表面沈着量測定 鈴木牧場の牧草汚染(81〜380Bq/kg)。刈り取り後ロール隔離をお願いした。草刈り後耕耘前表面土壌汚染111〜879Bq/kg。ゼオライト投入→浅耕(10cm)→深耕(30cm)
セシウムの土壌汚染・環境汚染の初期状況の確認と対策 土壌(畑) 土壌→作物への移行の確認のための基礎調査 放射性物質落下により土壌表面汚染 ①耕起していない状態での表面汚染あり1,000Bq/kg ②作物収穫後、耕起した時の濃度測定 100〜250Bq/kg ③すき込んだ時のセシウム固定能力 ④作物にどの程度移行するかを測定 10%以下と推定 ④の作物供給段階で30ベクレル以下を目標に土壌改善・改良を生産者と共にすすめる方針を確認。
土壌(田) 主食のコメへの移行調査の初期調査 代かき前の水田表面土壌汚染調査。落水時の土壌検査、玄米・白米への移行残留をトレースのための準備調査。
葉菜汚染② 3.11時点で播種を終えていた葉物野菜の表面沈着・葉面吸収の状況の確認、経根吸収の有無 1.放射性物質フォールアウト時生育途中 ①まだ作物表面に付着している 5〜50Bq/kg ②葉面からの吸収がはじまる ③土壌にはまだ浸透せず経根吸収はまだ少ない 2.葉物を調理する際には ①表面をよく洗う ②ゆでこぼす
鶏卵 くず野菜食べさせている有機農家の卵への移行 1.鶏の食べものから卵への移行を調査 ①水は全員井戸水のため大丈夫 ②野菜クズ投与による移行 1検体のみ5.8Bq/kg ③その他のエサは汚染されておらず
貝類 Csの湖沼への流入・集積と魚介類の取り込み 涸沼しじみ 船転覆で活の供給は中止。7月活しじみ再開に向けた事前調査。東京湾三番瀬の状況の確認
5月 セシウム汚染の拡散移行の検証と対策 茶葉 野草 一番茶生葉、荒茶、抽出液、春のよもぎ 一番茶葉(生茶)81Bq/kg→荒茶258Bq/kg→お茶抽出液は不検出。よもぎ不検出。
菌茸 菌床管理状況確認 菌茸吸収係数10倍〜100倍なので原木・菌床の素材の汚染注意。えのき菌床おがくず汚染確認 緊急供給中止。
肉類 飼料・水による畜肉移行 山方牛肉より7.4Bq/kg、岩瀬牧場豚肉より6Bq/kg
香味野菜 梅漬け用・シソジュース用のしその葉面吸収 木村農園シソより8.6Bq/kg
果実 トマトほか トマト・キュウリは葉面吸収・経根吸収なし
根菜 人参・らっきょう 泥付き人参・らっきょうで5〜12Bq/kg
牛乳② 対策後の状況確認 鈴木牧場、山木屋牧場、ヨウ素・セシウムとも検出せず