有機農業と協同組合

有機農業と協同組合

常総生協では「有機農産物」を供給しています。

それは、差別化して「商品」として売るためではありません。「有機」には、いのちを育める栄養を持ち、人と人のつながりがあるからです。モノの売り買いの対極にあるものです。それは生産者と消費者の協同の価値産物です。

日本における有機農業運動は「協同組合」運動の流れを汲んでいます。日本で「有機農業」が明確に宣言されたのは1971年、日本有機農業研究会の設立でした。その中心にいたのが農業協同組合運動出身の「一楽照雄」(いちらく・てるお)という人でした。

生産者と消費者がその利害を超えてつながる「提携」という協同の形態を提唱しました。日本の多くの有機農業者と消費者がその実践をすすめました。この「提携」はやがて、海外のオーガニック運動に取り入れられ、CSA(Community Supported Agriculture:地域が支える農)やAMAP(家族農業を守る会)の運動として世界に広がりました。世界では'TEIKEI'とそのまま呼ばれます。

一楽照雄さんは、高度成長期の水俣病をはじめとする公害問題や食品添加物など大量生産・大量消費に伴って生み出された諸問題に対して「医・食・農」の大切さを説くと同時に、人々が分断され、モノの売り買いの関係に陥っている社会関係を克服する道として「自立と協同」を説きました。

「自立と協同」は、人々が協同を通して自立してゆくプロセス(人間としての成長・自然との調和)を大事にする協同組合の精神です。

一楽照雄さんは協同組合総合研究所の所長も務めていたことから、協同組合の教育にも尽力され、『協同組合とは』という本を執筆されていました。私たち生協の役職員は、この本を第1テキストとして協同組合とは何かを一楽照雄さんから教えられてきました。

他方、茨城は有機農業のメッカとして多くの有機農業者が頑張っており、常総生協は身土不二の考えから地産地消・地域自給をめざして有機農業者と提携をはじめる中で、根っこがおなじ一楽照雄さんにあることを知りました。

有機農業は農業の方法や技術だけでなく、生産者と消費者が提携を通して共に協同して地域社会をよくする運動として、日本有機農業研究会にはその創設期から生産者・消費者・医師・研究者らが集っています。

そのような経緯で、常総生協は「日本有機農業研究会」に団体加入して共に活動しています。石岡市には日本有機農業研究会副理事長の魚住道郎さんがいます。

日本有機農業研究会では有機農業で積極的に生産し活用する「腐植」の意義に注目し、森や畑を通して供給される腐植が海の生命を育む連環であること、従って農業分野での提携から、流域の自然の流れに沿って人々が協同する「腐植がつなぐ森里海・流域自給」を訴えています。

この間、日本有機農業研究会の中に「有機農業推進委員会」がつくられ、時期時期の社会問題に対応した実証研究等をおこない、「市民公開研究会(講座)」を開催してきました。

研究会等で発表されたいくつかのスライドや論文を紹介いたします。

2010年2月 腐植がつなぐ森・里・海の「提携」ネットワークをつくろう

URGENCY第4回世界シンポジウム(神戸)への報告と提言

2010年6月 ネオニコチノイド農薬問題公開研究会(茨城・つくば)

2010年8月 協同組合思想と有機農業運動-賀川豊彦と一楽照雄(東京)

2010年9月 2011全国有機農業の集い(福井県越前市)

2010年11月 口蹄疫に見る現代畜産の諸問題と有機農業の課題(東京)

2011年10月 日本における震災・放射能汚染と有機農業

IFORM(国際有機農業運動連盟)世界大会への報告(韓国)

2011年12月 放射能汚染と有機農業(茨城・石岡市)

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